コロンバスサークルにある「ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン(MAD)」(2 Columbus Circle, New York)が12月9日、新部門「嗅覚アートセンター」の設立を発表した。
同センターは、嗅覚アート専属部門を設ける初の美術館として、展覧会やプログラムを展開していく。キュレーターには、ニューヨーク・タイムズ紙で香水評論家を務めた経歴を持つチャンドラー・バーさんが就き、同センターの運営を指揮する。
MADのディレクター、ホリー・ホッチナーさんは「嗅覚アートという分野は歴史上見落とされてきた。今日では史学者、キュレーター、世論の間では30年前の写真に相当すると認識され、視覚では見とれない独自のアート形式として位置付けられている」とコメント。「あらゆるメデイアを取り入れ、ジャンルの間にある境界をなくすことを目指す新部門」とアピールする。
同センターは現在、来年11月に開催を予定する「香りのアート展:The Art of Scent 1889-2011」を準備中。19世紀後半と20世紀、21世紀から独創性に富んだ10種類の香りを展示するほか、アーティストやチャンドラーさんによる講演、香り成分などを学ぶ授業の場も用意する。
「視覚アートが視覚に語りかけるように、嗅覚アートは嗅覚に語りかけてくる。ここでは実体験型のプログラムも用意し、来館者は香りを嗅いでアーティストの革新的な作品を探求できる」とチャンドラーさん。
開館時間は11時~18時(木曜は19時まで)。日曜・祝日休館。