アメリカ最大の書店チェーン「バーンズ・アンド・ノーブル」が10月20日、マンハッタンで開かれた発表イベントで同社オリジナルの電子ブックリーダー「Nook」を発表した。
現在アメリカ国内の電子ブック市場65%の売り上げを占めるアマゾン・ドットコムの「Kindle」が、ソニー「Reader」の35%を抑え独占的な地位に君臨するなか、1917年にニューヨークに1号店をオープンしたバーンズ・アンド・ノーブルは、アメリカ老舗書店の意地を見せる攻勢となる。
今回発表されたNookでは、電子ブック初となる本の貸し借りやカラーでの画面表示などが可能になる。コントロールパネルには、アップル社のiPhoneのようなタッチ操作ができるバーチャルキーボードを搭載。写真、音楽、オーディオブック、Adobe PDFファイルを保存できるため、内蔵スピーカーからは音楽、オーディオブックの再生も可能。Wi-Fi、AT&Tの3Gネットワークを利用し、同社が開設したオンライン電子ブックストアに用意されている4万冊に加え、提携しているGoogle Bookからのフリードメインブック50万冊、購読雑誌や新聞をどこからでもブラウズできる。
そのほか、コンピューター、iPhone、BlackBerryなどにインストールした電子ブックリーダーアプリケーションから続きを読むことができるなど機能を充実させた。
11月下旬に全米1,300店での販売開始が予定されているNookの価格は、今月19日から日本にも発送を開始した「Kindle」と同じ259ドル。今回の発表で加熱が予測される電子ブック市場参入に向け同社は、購入客先着1万人にマルコム・グラッドウェルの著書「The Tipping Point」の電子ブックを無料でプレゼントするとしている。本体用ケースには、ケイト・スペード、ジャック・スペード、ジョナサン・アドラー、タハリなど有名デザイナーを起用した「デザイナーカバー」も用意する。