ミッドタウンの国連国際学校(UNIS)の「日本語クラブ」が5月30日、演劇鑑賞会「The 36th Annual Japanese Play Night」で、東日本大震災をテーマにした「瓦礫に咲く花(英題:Flowers Amid the Rubble)」を上演した。
「俳優」の16人はほとんどが日本人だが、米国暮らしの長さによって日本語力はさまざま。被災地の高校生と交流しながら、去年から企画・台本作りを始め、本番前は休日返上で、朝から夜まで猛練習したという。
舞台は東北。バンドに明け暮れる生活を送っていた高校生たちが大震災を経験する。リーダーだった兄を亡くした弟がバンドの再結成を願い、残されたメンバーと向き合っていくストーリー。友達の死を直視できないギタリスト、家族のために被災地を離れるか悩むドラマー、大学受験を控え家族と衝突するベーシスト、それぞれが悲しみや葛藤を乗り越え一つになっていく。
客席でわが子を見守った光野幸子さんは、「地震後に感じた『(自分たちから)何か発信できたら』という思いで、子どもたちと先生は脚本作りから取り組んだ。実際に見て、子どもが成長している様子にとても驚いた」と話し、息子たちの姿をビデオで追い掛けていた。
「皆がそれぞれのレベルで一生懸命頑張ってくれた」と話すサポート役の田中雅裕先生は終演後、「お疲れさまと声をかけ、今すぐハグをしてあげたい」と笑顔を見せていた。