マンハッタン・フラットアイアン地区のカルメット・フォトギャラリー(22 W. 22nd Street, 2nd Floor)で7月3日から、日本人芸術家・吉野美奈子さんのマルチメディア展覧会「天の川伝説 七夕 - TANABATA」が開催されている。
吉野さんは富山県出身。2001年7月に渡米し、ニューヨークを拠点に作家活動や、朗読なども行っている。今回の展覧会は、「自分の作品と共に、東洋の天の川伝説を世界中の人に伝えたい」との思いが込められていて、全作品がニューヨークでは初公開となる。メーンは、吉野さんがサハラ砂漠やエジプトなど世界中を旅して集めた砂に、青を基調とした画材を混ぜて描いた長さ5メートルの巨大油彩画「Water Spirit(水)」で、構想5年、制作に1カ月を費やしたという。「砂がしゃべるので、それを色に翻訳している」と吉野さん。
そのほか、織り姫と牽牛が天の川で再会する場面を「晴れ」「雨」と天候別に描いた油彩画、「大いなる愛・宇宙的生命のつながり」をテーマに、東日本大震災がきっかけで制作された不死鳥を描いた扇面や、プロの写真家が撮影した吉野さんの作品制作の様子を捉えた写真なども展示されている。
七夕当日の7月7日7時(午後)からは、同展開催を記念したレセプションも開かれ、作曲家・松村牧亜さんのキーボード演奏に乗せて、吉野さんが七夕伝説を朗読するほか、吉野さんが自らの作品について語る「アーティストトーク」も予定されている。吉野さんは「(会場に足を運び)自分と自分、世界、自然、宇宙とのコネクションを体感してもらいたい」と力強く語った。
開催時間は9時~17時。入場無料。今月13日まで。