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NYで狂言師・野村萬斎さん米国初演-「マクベス」など2演目

ジャパン・ソサエティー春の目玉プログラム

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 ニューヨークのジャパン・ソサエティー(333 East 47th St.)舞台公演部は、古典芸能から現代演劇、映画、テレビまで縦横に活躍する狂言師、野村萬斎さんによる「JS野村萬斎シリーズ」を主催する。第1弾は3月23日・24日に同施設内の劇場で「マクベス」、第2弾には28日・29日にグッゲンハイム美術館(1071 5th Ave.)ロタンダロビーで「三番叟(さんばんそう):野村萬斎 × 杉本博司」を上演する。野村さんは米国初演となる。

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 ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「マクベス」。今回公演するのは、野村さんの演出・主演によるもので、2002年以来芸術監督を務める東京・世田谷パブリックシアターで2010年に発表した作品の改訂版。2月22日に同シアターで初演になったばかりの新作で、東京公演の後、大阪、韓国・ソウルと巡回し、ニューヨークに上陸する。出演者は、マクベス役の野村さんを含めわずか5人。筋書きは分かりやすくシンプルでありながら、登場人物が抱える不安や葛藤といった内面を丹念かつ丁寧に見せる構成。好評を博したオリジナル版を踏襲しつつも、前回の大掛かりな舞台セットを排して、今回の改訂版では能・狂言のミニマルな演出姿勢を取り入れるという。

 「三番叟」は、野村さんと、世界的美術作家・杉本博司さんによるコラボレーション・プロジェクト。日本最古の芸能の一つで、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る荘厳な舞の中にも派手な跳躍があり、狂言師にとって最も大曲と言われる演目。同作を得意とする野村さんが、グッゲンハイム美術館のロタンダロビーに特別にしつらえた舞台の上で縦横に舞う。舞台設計を手掛けるのは、古典美術や古典芸能への造詣も深い杉本さん。放電の瞬間を印刷紙に写した自らの写真作品シリーズ「放電場」に発想を得て、能舞台の背景幕として、雷のパターンを用いた巨大な幔幕(まんまく)をデザイン。野村さんの衣装デザインも手掛けた。はやし方には重鎮・藤田六郎兵衛さん(笛)、若い女性に人気の精鋭・亀井広忠さん(太鼓)など、能楽界のキラ星が居並ぶ。

 チケットは全て完売している。

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