ニューヨークを中心に、さまざまないたずらやコメディック・パフォーマンス・アートを繰り広げる集団「Improv Everywhere(インプロブ・エブリウェア)が1月12日、毎年恒例となった「No Pants Subway Ride(ノー・パンツ・サブウェー・ライド)」を行った。パンツ(日本語ではズボンのこと)をはかずに下着姿で地下鉄に乗車する同企画に4000人以上が参加、最年長は71歳、最年少は3カ月の赤ちゃんだった。
ウェブサイトやフェイスブックで事前に参加者を募り、ニューヨークのさまざまなミーティングポイントに集められた参加者はそれぞれの指示に従って出発。寒波が続いていたニューヨークも、イベント当日は最高気温12度と「ノーパンツ日和」となった。
電車内でパンツを脱ぎ企画は開始。一般客になぜ脱いでいるのか聞かれた場合は「着心地が悪くなった」などと答え平然を装う。そのまま各方面へ通常乗車し、社内では雑誌を読んだり携帯をいじったりと、普段と変わらない様子でいなくてはならない。その際に一般客に質問された場合は「パンツをはいてくるのを忘れた。少し寒い」とフレンドリーに答えるのがルール。周囲のノーパンライダー仲間との会話は禁止で、平然とした顔で乗車してくる参加者の姿は一般客に笑いを届けた。
同団体は街行く人を笑顔にしたり、喜びを届けたりすることを目的に活動し、一年を通して多くのイベントを企画。フラッシュ・モブ・ブームの火付け役ともいわれ、ニューヨークの街角を舞台に数々の即興パフォーマンスを披露する彼らに「一度でいいから遭遇してみたい」と願う人も多い。今月7日には、初のドキュメンタリー映画「WE CAUSE SCENES」の販売を始め世界的にも注目されている。