7月に入り、ニューヨークでも日中に30度を超す日が続き、クーラーが必要な季節になってきた。この季節になると毎年、大都会といわれるニューヨークのクーラー事情が現地にいる日本人の間でちょっとした問題になる。

　細かい温度調節が可能であったり、マイナスイオンを放出したり、人の形をセンサーが読み取って自動で動き出したりするクーラーは、日本ではもはや新しいものではない。そんな日本人が、ニューヨークのあまりにレベルの低いクーラーの機能に不自由を感じて、夏になると度々愚痴をこぼす。

　一般的なアパートでは、大型スーパーや家電量販店などで購入したものを自ら窓に挟む。取り付けの際には下を通る歩行者に落ちる心配があり、むき出しの金属部分で手を切る人も多い。また、設置中の窓は夏の間使うことができず、窓が1つしか付いていない部屋の住人は換気もできない。夏の間は街を歩くとクーラーの水滴が上から降ってくる状態で、「汚い」という声も多く聞く。

　クーラーのほとんどはタイマー機能がなく、温度調節も高・中・低のような3段階が多い。夜中は寒すぎたり、逆に暑すぎたりして目が覚めることもしばしばだという。クーラーと室外機が一体型になっているので、スイッチを入れるとかなり音がうるさいという問題も。

　最近ニューヨークでの生活を始めたばかりの日本人女性は「窓に装着されたクーラーを最初に見た時、古すぎて動くのか心配した。一応動いたけどうるさいし、自分の好みに温度調節ができなくてとても不便」と話す。対してニューヨークで生まれ育った人は「涼しいんだから、しっかりクーラーの機能を果たしている。何も問題はない」と、全く不自由を感じていない様子。