マンハッタン、ソーホーの路地裏に、地下鉄マップをキャンバスにしたグラフィティ・アートが並び、ポップアートの絵とともに展示・販売されている。
グラフィティ・アートは1970年代に壁や地下鉄に名前や好きな言葉を落書きしたことに始まり、次第に完成度・芸術性が増し、今では現代アートの一つとして数えられるほどになった。
芸術性を高める一方、街に描かれたグラフィティ・アートのほとんどは所有者に許可をとっていないもの。1995年のルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長による、過去最大の落書き撲滅キャンペーンによって頻繁に消されるようになってからはその数は減っていった。
「昔は地下鉄構内に絵を描いていたが、禁止されてからは地下鉄マップに描くことにした」とグラフィティ・アーティストのマークさん。約10年前からバスや地下鉄マップをキャンバスにしてマーカーでグラフィティ・アートを制作。アーティスト仲間とともに毎日、ソーホーの路上で展示・販売している。カラフルな色使いとポップなキャラクターが目を引き、買い物客や観光客の足が止めている。
絵は大きさにもよるが20ドル前後で販売され、地下鉄マップ上に描かれる絵はリクエストすればその場で描いてくれることもある。