ミッドタウンのイベントホール(4 W 43rd St.)で9月19日、安倍昭恵夫人を主賓に招き「Japan Rice Pease Project(JRPP)」が行われた。
同イベントはNPO法人プロジェクト88が主催。その名前の由来は、「米作りには88回手間がかかる」ことからきており、米の生産者への感謝の気持ちも込められている。同NPO代表の高橋菜里さんが東日本大震災の被災地で食物アレルギーにより食べるものがない被災者を目の当たりにしたことから設立。アレルギー物質とグルテンが不使用のライスクッキーを通して、世界中の被災地に平和をもたらすことをミッションとしている。
2回目を迎える同イベントでは、食の安全をメインテーマとして、アレルギーの専門医や政治経済の専門家を招いてパネルディスカッションが行われ、各専門家が異なる視点で問題点を指摘した。冒頭ではジョン・メイソン教授により、世界的な地球温暖化による気温上昇と比例して、農作物の生産性が悪化している懸念が語られた。アレルギー研究が専門のスコット・シチェラー博士は「世界的に見て食物アレルギーを持つ人の人口は増加している。特に先進国での増加が多く、これは生活習慣やパッケージ食品が多い食生活などが影響している」と指摘した。
パネルディスカッション後、安倍さんがスピーチで登壇した。2011年の東日本大震災以降、安倍晋三内閣総理大臣の地元である山口県で米作りを始めた安倍さんは、「田んぼにはだしで入ると人間は自然に生かされていることを感じる。科学技術の発展により、世の中は便利になったが、一方で大事なものをなくしているとお米作りを通して思った」と話した。
レセプションではエコブランド米、日本酒「獺祭(だっさい)」、新潟の洋菓子店「ガトウ専科」のライスクッキーが振る舞われた。
高橋さんは、現在パートナーの会社と共にライスクッキーを販売している。「今後もお米の持つ可能性を世界に広げていきたい」と意気込みを話す。