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現代美術家・野村仁さん、NYのギャラリーで個展「Making Time」

野村仁さんの作品「時間の矢 : 酸素 -183度」© McCaffrey Fine Art, New York

野村仁さんの作品「時間の矢 : 酸素 -183度」© McCaffrey Fine Art, New York

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 ニューヨーク・アッパーイーストサイドにあるギャラリー「McCaffrey fine Art(マッカフレイ・ファインアート)」(23 E 67th Street, New York)で現在、野村仁さんの個展「Making Time」が開催されている。

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 1968(昭和43)年から活動を開始した野村さんは、「人と物質の接点」の探求を写真、映像、彫刻で表してきた日本を代表する現代芸術家の1人。アートの限界を押し広げる、カテゴリー分けしがたい作風からは、科学と天文学の領域に達する要素がうかがえる。

 同ギャラリーで2回目となる個展は、段ボールでできた約8メートルの彫刻が崩れていく様子を、数日間で複数の写真に収めた「Tardiology」(1968-1969)と、巨大なドライアイスが時間とともに解け、変化していく様子を撮り続けた「Dryice」(1969)など、物質の完成性と時間に対する、これまでの理解を逆転させる作品の展示に始まる。液体酸素をガラス容器に入れ、常温沸騰させるインスタレーション「Time Arrow: Oxygen -183℃(時間の矢 : 酸素 -183度)」(1993)からは、野村さんが重ねた探求の結果が見られる。

 70年代から先駆的に映像と音を取り入れ制作された「カメラを手に持ち腕を回す:人物、風景」(1972)や「The Brownian Motion of Eyesight(視覚のブラウン運動)」(972-82)などの展示では、場所や連続する動き、その中で与えられる行動の自由を表現する。

 同展主要作品となる「北緯35度の太陽: 豊中」(1986-2010)は、ブラウン運動から発展し宇宙構造のリズムを追求した彫刻。日中の太陽の軌道を魚眼レンズで365日間トレースした写真を基に制作。地球が太陽の周りをリズミカルに動く様子が表されている。

 開館時間は火曜~土曜の10時~18時。10月23日まで。

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