写真家・今津秀邦さんの写真展「日本最北の動物園・旭山」が11月10日から、ニューヨークの日本クラブ（145 W 57th Street, New York）で開催される。

　経営難を理由に、一時は廃園の危機に直面した北海道旭川市にある旭山動物園は、従業員・飼育係のアイデアと情熱により、年間300万人もの来場者が訪れる動物園へと生まれ変わり、この成功例はテレビドラマや映画の題材にもなり話題を呼んだ。

　今津さんは、2002年から同園のポスターやパンフレットの写真を担当。撮影スタンスは「動物たちに気に入ってもらえる写真を撮ること」（今津さん）という、そのユーモラスでダイナミックな動物たちの写真はタイムズ誌にも掲載されるなど海外からも注目される。

　今津さんは「旭山の撮影を始めて10年近くなるが、今でも新しい発見が山ほどある。彼らの堂々としたまなざしや覚悟を持った生き方、そしてそれぞれが持つ身体能力や環境への適応力。そんな個性を知れば知るほど、人間社会の構図の中で生きる私はこんな事を思うようになった。『私は誰？』『人間だということは人間から教わったけれど…』」とコメントする。

　同展では、未発表を含む50点を展示するほか、12日には「旭山動物園撮影秘話と印象に残る写真の撮り方」と題した撮影ワンポイント・レッスンと、今津さんが撮影秘話や動物の生態を豊富なスライドを通して語るアーティスト・トークを開く。参加費は、会員＝10ドル、非会員＝15ドル（ドリンク付き）。

　開催期間は10時～18時（土曜は17時まで）。入場無料。今月16日まで。