「百歳の現役医師」として知られる聖路加国際病院理事長兼名誉院長、日野原重明さんが8月15日、ニューヨークのジャパン・ソサエティー(333 East 47th Street)で「東日本大震災からの復興にむけて:ジョン万次郎から学ぶこと」と題して講演を行った。
日本に米国医学を導入した第一人者である日野原さん。今年10月で101歳となる長い人生に大きな影響を与えたのが、米国に日本人で初めて上陸したジョン万次郎との「出会い」だったという。講演では「日米の架け橋の先駆けとなった万次郎の勇気ある行動を知ることは、大震災からの復興への一歩」として、「私たちは『辛くても耐えて生きる力』を持ち、『与えられた人生をどう生きるか』を考えるべきだ」と強調。「逆風にあっても常に戦い続けた万次郎の生き方から、私たちは『震災という荒々しい風にもめげないこと』を学ぶことができる」と述べた。
そのほか、命の大切さと平和を小学生に伝える「いのちの授業」など、日野原さんが現在力を入れている諸活動についても触れた。最後は来場者へ「あなたはあなたの生き方をデザインしなさい」と呼び掛け、講演を締めくくった。
講演を聞いた岸哲史さんと妻の紘弓さんは「万次郎の『勇気ある行動』は自分に通じるものがある」「『命は自分が使える時間』という言葉が心に響いた」と話していた。