ニューヨーク日系人会女性実業家の会(BWCJAA)が8月24日、名古屋外国語大学・大学院客員教授で国際ジャーナリストの内田忠男さんによる講演会「日本最新事情」を、日系人会ホール(15 West 44th Street, 11F)で開催した。
現在は日本住まいだが、ニューヨーク暮らしは21年にも及ぶ内田さん。ニューヨーク在住の日本人に「今の日本の惨状を伝えることで自分の体験を共有したい」という。会場には約120人の日本人が集まり、内田さんの話に時折メモを取りながら熱心に耳を傾けた。
講演では、東日本大震災以降の日本について「今の政治はスピード感を欠いている」と独自の視点で分析。放射能汚染や電力不足の問題にも触れ、「原子炉の問題は多角的に多様な議論をした上で決めるべき」と解説した。
講演会後は交流会も行われ、参加者は内田さんと気軽に会話を楽しんだ。マンハッタン在住の牛島有貴子さんは「『原子力発電所を止める=安全とはならない』と聞いて驚いた」と話していた。
BWCJAAは2004年、NPO「ニューヨーク日系人会」の下に発足。ニューヨークで働く日本人女性同士の交流のほか、米国内や日本の女性実業家組織と親睦を深めることを目的としている。団体自体の認知度を広げるため、毎月「例会」として、講演会や勉強会などのイベントを主催。今回の講演は「8月例会」として開催された。