4月15日に米マサチューセッツ州ボストンの「ボストンマラソン」中に起きた爆発事件を受け、ニューヨークでも警戒態勢を強化する動きを見せている。
同事件を受け、全米各地で警戒態勢が強化されている。ニューヨークでは過去に証券取引所や観光名所がテロ予告の対象となったことからテロのリスクが高まったとし、マイケル・ブルームバーグ市長は15日、市内の警戒レベルを引き上げ、約1000人のニューヨーク市警テロ対策班を出動させると発表した。市内のパトロールや、人が多く集まるエリアを中心に武装警官を配置したほか、駅での荷物検査や不審物検査を進めており、FBIも捜査協力している。
16日にはブルームバーグ市長とレイ・ケリー市警察本部長が会見を開き、「まだ事件の詳細については明らかになっていないが、このテロはこの国に恐怖を植え付ける脅し行為だ。特にニューヨーク市はいつ標的になるかわからない。われわれはニューヨークの皆さんを守るために警備を強化している。今年に入ってから市内では21個の不審物を発見した。地下鉄は毎日500万人が利用している。ニューヨークにいる皆さんには、少しでも怪しいものを見かけたらすぐに報告するようにしてもらいたい。今週末には市内で911のメモリアル5キロマラソンやセントラルパークで4マイルレースが予定されており、実施するかは考慮しているところ」と話した。
恐怖に震え上がっているニューヨーク市民は「無実な被害者のことを考えると心が痛むと同時に怒りが込み上げてくる。さらに今はニューヨークにも恐怖が迫って来ているとささやかれていて、安心して外を歩くことができない。テロの恐怖を味わうのはもうたくさんだ」と話している。
ブルームバーク市長は「ニューヨークは911の時にさまざまなサポートをしてもらった。今はボストンに精いっぱいのサポートをしようと思う」と話したほか、「緊急速報に関するアラートを311に電話をするか、NYC.govのサイトからサインアップし、受信するようにしてほしい」と市民に呼び掛けている。