全米で波紋を呼ぶ砂糖を含むソフトドリンクに対する課税で、ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長の発言により、課税への動きが急展開を迎えている。
若年層の肥満が深刻化した2004年、全米の小中高等学校で導入された飲食物の規制により、ソフトドリンク製造業者の発注数が72%までに低下した。ニューヨーク州のデビッド・パターソン知事が2008年に出した同州予算の一部に、加糖飲料水への課税を提案。ダイエット飲料以外のソフトドリンクに18%課税することで約4億400万ドルの歳入が得られるという、通称「肥満税」または「ソーダ税」の賛否が話題となったが、結果否決で終わった。
この出来事から約1年が経つ今、ブルームバーグ市長は3月7日、自身のウィークリーラジオ番組で、ニューヨーク州議会に対し1オンス(約30cc)に1セントの課税を促す発言を行った。「1缶に12セント課税することで約10億ドルの歳入が得られ、公共医療サービスを開放できるうえ教員を増やせる。同時に問題視されている児童肥満対策の手助けになる」と話す。
今月8日にはシンポジウムが開催され、パターソン知事をはじめ、ニューヨーク州と同市の衛生局、医療チームが集いソーダ税について討議した。「州が毎年費やす70.6億ドルの肥満治療対策費を、どこかから捻出しなければならない」とパターソン知事。討議では加糖飲料水に限らず、ハンバーガーやキャンデーの課税にも触れた。シカゴでは3%のソーダ税、コロラド州では5月1日からスナック菓子、ソーダ類への課税が決定しているが、ニューヨークでは課税が健康の改善策にはならないうえに、ビジネスに悪影響を与えるという反論が続いている。