ジブリ最新作「風立ちぬ(米題:The Wind Rises)」がニューヨークのSunshine Cinema(143 E Houston St.)で11月8日から1週間限定で上映され、連日にぎわいを見せた。
大々的な宣伝がなかったにもかかわらず、期間限定公開とあり連日超満員となった。来年2月には本格的な公開が決まっていたが、アカデミー賞に候補入りをするための条件としてアメリカ国内で最低1週間の上映が必要となり、ニューヨークとロサンゼルスの2大都市で急きょ公開された。
現地に住む日本人のみならず、ジブリファンの外国人も多く、館内の7割以上を外国人が埋め尽くした。映画冒頭で「スタジオジブリ」と流れると、会場からは早くも歓声が上がった。日本の歴史や伝統を濃く描いた同作品はリアリティー要素が強く戦争の内容も含まれるためアメリカ人の反応を不安視する面もあったが、コミカルに描かれたジブリならではの個性的な登場人物には随所で笑い声が聞こえ、盛り上がっていた。エンドロールに差し掛かると自然と拍手が起こり、ジブリ作品の根強い人気がうかがえた。
ニューヨークに住む日本人女性は「今までのジブリとは一味違った大人な内容がつまった作品だったと思う。宮崎駿監督の最後の作品をずっと待ち望んでいたから、いち早く見られてすごくうれしい」と話していた。アメリカ人男性は「アニメなのに全く『アニメ』として映画を見た感覚ではなく、とにかく映像が素晴らしかった。細かい動作や木や草までもが繊細に描かれていて、本当に感動した。2月には英語吹き替えでまた上映されると聞いたし、絶対にもう一度見に来ようと思う」と話した。
正式公開は2014年2月21日。英語吹き替えで上映予定。