マディソン・スクエア・パーク(11 Madison Avenue, New York)周辺で3月26日から始まるパブリックアート展「Event Horizon」のインスタレーションが始まり、話題を呼んでいる。
イギリス人美術家に贈られるターナー賞の受賞経験を持つアーティスト、アントニー・ゴームリーさんによる同アート展では、ゴームリーさんが自身の体を型にファイバーグラスと鋳鉄で製作した1メートル89センチの男性像31体のうち27体を路上、4体をビルの屋上や胸壁に設置する。ニューヨーク市警察は1体目が設置された9日、飛び降りと勘違いした911番(110番)通報を予想し、混乱避けるため注意を呼びかた。
2007年にロンドンで行われた展覧会の一部として、テムズ川沿いを舞台に開催されたアート展の再現にあたる今回のアート展。ゴームリーさんは「わたしの意図は、できる限りビルの端に人体像を設置すること。周りに境界がないほうが良い」と話す。「凝視すること」が作品の原動力で、見る者が何かを見出したり求めたりすること、自分の位置付けを考え直すことなどを目的としている。
同アート展に協賛するマディソン・スクエア・パークの管理委員会は、アートプログラムを設けた1999年から11年間にわたりゴームリーさんの展覧会実現を望んで来た。「彼の作品は対話的でアートとのかかわりを働きかけるもの」と同委員会ディレクターのランドーさん。
展示期間は3月26日~8月15日。