ニューヨークの地下鉄・バスにメトロカードが導入されてから1月6日で20年が経過した。
メトロカード導入前はトークン(硬貨)を乗車のたびに購入する必要があった。ダウンタウンのWhitehall St.駅とWall St.駅の2カ所でメトロカード専用読み取り改札が設置されたのは1994年。1997年からは無料乗り換えサービスが開始され、翌年には7日間・30日間の乗車無制限カードの発行も始まり、利便性が上がった。
現在は市内全468駅と約6000台のバスで導入され、ニューヨーク市民の85%が利用する。メトロカードを模した土産も多く販売されるようになり、ニューヨークを象徴するアイテムの一つとなっている。
他の大都市と比較しても交通インフラ整備が大幅に遅れているニューヨークだが、州交通局(以下、MTA)は2019年までにスマートフォンを使ったタッチ式改札システムを導入すると発表。新システムは市内の地下鉄・バス以外にも、郊外からのメトロノース、ロングアイランド鉄道、PATHトレインなどの交通機関での導入も見込まれている。毎年運賃の値上げを続けているMTAが目に見える改善をすることがなく不満を漏らす市民も多い中、今年から新しく就任したビル・ブラシオ市長の動きにも期待がかかっている。
新システム普及後には現在のメトロカードは使えなくなるが、一時代のニューヨークの交通を支えたメトロカードは将来プレミアが付くとも予想されている。