ニューヨーク市内のFirst Church of Christ, Scientist(10 W. 68th St.)で3月9日、東日本大震災追悼式典「TOGETHER FOR 3.11」が開催され、在米日本人をはじめ多くの市民約500人が集まった。
シンガーソングライターのAK(Akemi Kakihara)さんが震災後立ち上げた「Fellowship for Japan」が主催する同イベントは今年で3回目を迎えた。来場者にはキャンドルが手渡され、イベント冒頭で震災の犠牲者に黙とうをささげた。
AKさんは「ニューヨークでできることはみんなで集まり、心を寄せること。そして、被災地のことを『忘れていない』と思いを届けること」と力強く語った。また、ニューヨーク総領事館の草賀純男大使は「震災を経験した高校生がニューヨークに訪れ、自身の体験を共有してくれたことを心強く思う」と、若い世代が復興に向け引っ張っていると話した。
追悼式内では日本からのビデオレターが上映された。宮城県名取市議会議員の荒川洋平さんは被災地の仮設住宅を訪れ、被災者の姿を伝えた。震災後に議員になった荒川さんは「自分たちが立ち上がり、復興を目指していこうという意識が芽生えてきた」と語った。福島県内の保育園からは、元気よく歌を歌う園児の姿を映した映像が送られ、会場ではそれに応えるように来場者が「ふるさと」を合唱した。
式典に参加した日本人男性は「ビデオや大使の話を通じて若い世代の人がリーダーシップを取っていることを知り、勇気付けられた。メディアの露出が減り、話題に触れる機会が少なくなりつつあるので、こうして1年に1度集まれる場所があるのはとてもいいと思う」と話した。
会場内では着物をリメークした小物入れや復興たわし、缶バッジなど被災者や障がい者が作ったチャリティーグッズも販売された。同イベントの収益金5682ドルは領事館などを通して被災地に寄付される。