ニューヨーク市内にあるホイットニー美術館(99 Gansevoort St.)が5月1日、リニューアルオープンする。これまでのアッパーイーストから移転し、マンハッタン南西のミートパッキングディストリクトが新たな拠点となる。
ミートパッキングディストリクトはもともと産業用施設が並ぶ一帯であったが、近年はレストランやバー、ショップなどの展開が急速に進んでいる。新たな観光名所としてにぎわう「ハイライン」からもアクセスでき、今回の開館で周辺地域の振興に拍車が掛かると注目を集めている。
同美術館は、1930年にグリニッジ・ヴィレッジに開館したのが始まり。同時代アーティストの紹介に注力し、ロウアーマンハッタンのアートシーン形成に大きく貢献した。その後、数回の移転を経て、創設当時のロケーション近くに戻ることになり、原点回帰の意味合いが込められている。有力ギャラリーが集結するチェルシーとも隣接しており、現代アートシーンとの連携を深めようという意気込みも見られる。
新しい建物は世界的建築家のレンゾ・ピアノさんが設計した。旧施設のおよそ倍となる敷地を確保し、これまでは実現できなかったスケールでの展示が可能となる。さらに、さまざまな教育プログラムが用意され、来館者によりアートを楽しんでもらえるような施設へと変貌を遂げる。また、ハドソン川やマンハッタンも一望できる展望スポットしての魅力も兼ね備える。
開館時間は10時30分~18時(木曜~土曜は22時まで)。火曜休館。入場料は一般=22ドルなど。