ニューヨークのメトロポリタン美術館(1000 5th Av.)で2月から開催されている日本美術展「Discovering Japanese Art: American Collectors and the Met」が注目を集めている。同館アジア美術部門100周年記念企画ということもあり、充実した内容となっている。
同館の日本美術コレクションは世界でも有数の優れた内容で知られているが、今回の展示では、さらに厳選されたおよそ200点の屏風(びょうぶ)絵、浮世絵、器などを公開している。葛飾北斎の「富嶽三十六景」や尾形光琳の「八橋図屏風」といった日本人もなじみ深い作品から、10年ぶりの公開となる龍安寺の襖(ふすま)絵や、世界最高のコンディションを保持する13世紀の「北野天神縁起絵巻」など、珍しい作品も鑑賞することができる。ニューヨーク・タイムズ紙も「コレクションの最高作品が一堂に会する素晴らしい機会」と報じている。
会場では、コレクションに多くの作品を寄贈した数々のコレクターたちにも焦点が当てられている。それぞれが日本美術収集に至った経緯なども紹介し、アメリカにおける日本美術への理解が広まった歴史的背景も楽しめるよう工夫する。
開館時間は10時30分~17時30分(金曜・土曜は21時まで)。入場料は一般25ドルなど。9月27日まで。