地下鉄やタクシーなど、公共交通機関が主な交通手段であるニューヨークで近年、自転車を利用する人の数が増え、自転車人気が高まっている。
ニューヨークのサイクリング支援運動団体は、昨年の1日平均あたりの自転車利用者数がおよそ23万6千人と、2008年の18万5千人に比べ28%上回ったと報告。4年連続となる自転車利用者の増加を記録した。1日20万人以上の利用者数は、全米都市でも最も高い数字とされる。
ニューヨーク市では、昨年だけで約186キロの自転車専用車線の追加工事を完了。2007年から換算さすると、およそ320キロ以上に及ぶ。その取り組みには、自転車用の信号や分離帯を置いた事故防止策などの工夫も見られる。マンハッタン北部では幹線道路の一部区域を遮断し、自転車専用道路として使用するなど、自転車利用者の普及に比例する環境整備を行ってきた。毎年無料配布するニューヨークの自転車マップは、今年も32万5千部を用意。
ニューヨークとその周辺の州では、5月を自転車月間としてさまざまな活動を予定する。1990年に実施された「自転車通勤の日」に始まり、1週間のキャンペーン「自転車週間」を経て、1カ月規模の自転車月間へと進化を遂げた。5月2日には、皮切りイベントとして「Five Boro Bike Tour(ファイブボロ・バイクツアー)」を予定。3万2千人のニューヨーカーが、NY5区、約68キロを走行する。