毎年3月に開催される、ニューヨーク一最大の国際現代美術展「ザ・アーモリー・ショー」の一環として3月1日、タイムズスクエアでパブリックアートの展示が始まった。
タイムズスクエア・アライアンス主催の下、ウエストハーレム・アート基金などが協力する同展示では、NYの地下鉄構内で見られる不思議な生き物のブロンズ像で知られる、トム・オッターネスさんの作品など全部で5つの作品が並ぶ。
中でも一際話題を集めているオー・キュソクさんの作品「カウンティング・シープ(Counting Sheep)」は、全長約11メートル、幅約3.6メートルのエリアに紙で作られた羊が立ち並ぶ。その数、羊と子羊合わせて24頭。
タイムズスクエアの雑踏の中に突如として現れた羊の群れは、忙しく「眠らない」街に対照的な温かみをもたらす。「ネオンに包まれた周辺ビルや群衆にリラックスし、白く柔らかみのある羊を数えてうとうとしてほしい」というアーティストの気持ちが込められている。
付近でコメディーショーのチラシを配るポーラさんは「気疲れする仕事柄、たまに目を向けると気が和む。カリフォルニアの友人に写真を送ったら『なぜタイムズスクエアに羊が居るの?』と、本物の羊と思っていた」と気に入った様子で話す。作品の周囲は、羊の鳴きまねをする子どもや、記念撮影をする人などでにぎわっている。
今月7日まで。