摂氏35度近くまで気温が上がったニューヨークで7月12日、ニューヨーク市はエアコンのない市民に過ごしやすい環境を提供する「クーリング・センター」を市内各地にオープンした。
NY市の危機管理センターと保健精神衛生局主導で、2008年に始まった同取り組みは、「クーリング」の文字通りエアコンが完備された施設を市民に開放。NY市5区にある高齢者センターや図書館、公共住宅局、サルベーション・アーミー(救世軍)の地域センターなど約400カ所を、気温が37度を超える日、35度の日が2日以上続くなどの、高温注意報が発令された場合に開放する。
熱波の到来で連日暑い日が続き、死者も出ているニューヨークの市民を暑さから守る対策として実施され、開放施設では飲料水も用意し利用希望者を無条件で受け入れる。
摂氏34度の日が続いた2008年は、140カ所以上の施設が時間を延長して営業し、休館日の週末を含む5日間に渡り開放。約5万人が利用し絶大な効果を表した。以来、市が行う熱中症対策として一般的となった。
クーリング・センターの場所や開放時間は注意報発令によって異なるため、同市では事前の確認を勧めている。また、熱中症に遭いやすい乳幼児や高齢者などには特に注意を促し、あまり知られていない猛暑による被害の詳細や予防策も同時に提供している。
開放施設の情報は、ウェブサイトや行政サービス案内ホットライン311で確認できる。