世界的にその名が知られるカナダの建築家、フランク・ゲーリー(Frank Gehry)さんが手掛けた集合住宅「New York by Gehry」(8 Spruce Street, New York)が、高層階の入居者募集を始めた。
マンハッタンのスカイスクレーパーに新たに加わった、265メートルの高さを誇る76階建ての同ビルは、保有する903戸全てが賃貸物件で、一般向けの住宅、近隣の病院に努める医師のオフィスとして利用されている。今春行われた低層階の募集により、既に300世帯以上が入居。今回募集しているのは40階~76階で、2LDK、3LDKなどのファミリー向け住宅となっている。
独特なスタイルで有名なゲーリーさんの建築は、ステンレススチール製のパネルを合わせて引き出す曲線美が外観を輝かせ、一度見れば忘れられない印象的なもの。今回の建築では、ゲーリーさんが外観以外にインテリアや共有スペースなどもデザインした。家具も特殊な木材を使うなどこだわりも多い。
「自分がニューヨーカーだったとして住んでみたい建物をデザインした」とゲーリーさん。自ら「ニューヨークシティーへのラブレター」と表現する建築を「ロウワーマンハッタンでの建設という意味深いことに協力できてうれしい。皆と共に7年にわたって同地の新しい象徴を作り上げた」と周辺住人やビジネス、近隣ビルとの関わりについて語っている。
ビル内の共有スペースには、子どものプレイグラウンドやバーベキューテラス、キッチン、プールのほかブルックリン橋が見下ろせるスパサービスを完備したジムなど、豊富なアメニティーがそろう。
家賃はワンルーム(月額2,630ドル=約22万円)をはじめ、高額な物件では2万1,000ドル(約161万円)の部屋も用意されている。