ニューヨークのメトロポリタン美術館に1月16日、アメリカ近代美術を展示するギャラリー「New American Wing Galleries for Paintings, Sculpture, and Decorative Arts(アメリカン・ウィング・ギャラリー)」がオープンした。
新ギャラリーは3段階に分けて進められた改築プロジェクトの一つで、2007年に完成した1部、2009年に公開した2部に次ぎ、最後となる3部目。4年間にわたる工事で約77億を費やし完成した、総面積2787平方メートルのアメリカン・ウィングには、1万7000点近くの展示品が追加された。
26の展示室から成る同ギャラリーは、コーブ天井やスカイライトの自然光を取り入れるなど、近代風に表現した19世紀のボザール建築のデザインを起用。306平方メートルを増築した室内に、18世紀から20世紀初頭のアメリカ絵画、彫刻、装飾品を展示。時代の流れに沿ってアメリカの芸術を体験することができる。
21の展示室では、1870年代までさかのぼる絵画コレクションを展示。アメリカの芸術家、ジョン・シングルトン・コプリーやギルバート・スチュアート、ウィンスロー・ホーマーなどの作品が並ぶ。
新ギャラリーのセンターピースには、アメリカン・アートの代表作の一つ、エマヌエル・ゴットリーブ・ロイツェの油彩画「George Washington Crossing the Delaware(デラウェア川を渡るワシントン)」(1851年)を、金を施した巨大な額縁に収め再展示。同作品と共に、ロイツェのマスターピース2点も展示するほか、1770年代の家具やシルバーウエアなども見られる。