ニューヨークで展示されることになったスペースシャトルの1号機「エンタープライズ」が6月6日、ボートに載せられてハドソン川をさかのぼり、最終目的地である「イントレピッド海上宇宙博物館」(West 46th Street New York)に到着した。
エンタープライズは、大気圏内での飛行をテストする滑空実験機として使われていたスペースシャトル。以前はワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館に展示されていたが、去年3月に引退したシャトル「ディスカバリー」と入れ替えることになり、イントレピッド海上宇宙博物館への移管が決まっていた。
このため4月27日、NASAのシャトルキャリアエアクラフト輸送機(SCA)に「おんぶ」され、ワシントンからニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に到着。6月3日にニュージャージー州までボートで運ばれた後、最後の輸送を待っていた。
もともと5日に予定されていた輸送は悪天候のため延期。6日、ボートに載せられたエンタープライズは、マンハッタン島の西側を流れるハドソン川に浮かび、自由の女神像や新世界貿易センタービルのフリーダムタワー付近を通過。この日午後、たくさんの人に見守られながら博物館に到着した。
博物館付近でベビーカーを押しながら赤ちゃんと輸送を見守っていた、ニューヨーク在住のネオミ・バロさんは「(エンタープライズを)見ることができて嬉しい。アメリカの大きな希望であり、(ニューヨークの)街がもっとよいムードになるといいなと思う」と明るく話した。
エンタープライズは7月19日、同博物館に特別設置されるパビリオンで一般公開され、その後宇宙に関するプログラムや教育カリキュラムの一環として常設展示される予定。