ジャパンソサエティー（333 E 47th St.）は12月4日、経済評論家の勝間和代さんを迎え、日本の社会問題と経済復活に必要な改善策について講演会を開催した。テーマは「日本の諸問題とその処方箋～デフレ・男女共同参画・少子化～」。会場にはニューヨークにいる多くの日本人が集まり、今後の日本に必要な対策案について耳を傾けた。

　講演は、デフレ脱却、子育て応援、少子化の3つのテーマに大きく分け進められた。勝間さんは特にデフレに対する処方箋として、日銀法改正と量的緩和の必要性を訴えたほか、男女共同参画については時給を上げ、労働時間あたりの労働生産性の向上を目標にすべきと訴えた。また、少子化問題については女性比率の向上を提案し、女性比率が高い会社ほど業績が良いなどの研究例を挙げ、出生率意外に競争率向上の期待ができると説明した。

　いずれも3つの問題に対して北欧の経済政策をモデルとした具体的な解決策を提案した。講演を締めくくる際、日本は過度に保守的と指摘し「ニューヨークのダイナミクスに触れ、変化を遂げるということが大事」と話した。衆議院選挙の期日前投票日を目前に控えたニューヨークの日本人の参加者に対し、一人一人の声出しと投票参加の重要性も同時に訴え掛けた。

　イベントに参加したニューヨーク勤務の日本人男性は「ニューヨークにいながらして、日本の諸問題をこれまでに深く知ることができてとても勉強になった。選挙権の行使をする重要性をあらためて感じた」と話した。また、参加した日本人女性は「このような諸問題を指摘し、改善案を提案できるのは素晴らしい。デフレ問題や職場での女性枠を設けるクオーター制は特に即座に対処した政策を打ってほしい」と話していた。