ニューヨークで3月1日から24日まで、「The New York International Children's Film Festival(ニューヨーク国際子ども映画祭)」(以下NYICFF)が開催される。1997年に始まった同イベントは、子どもにとってよりよい映画の定義づくりを目的としてGKIDS(Guerrilla Kids International Distribution Syndicate)が立ち上げ、3歳から18歳までを対象とした映画をプロモーションする。2000年以降は毎年前売り券が完売し、昨年のイベントでは2万5000人以上の観客動員を記録するなど、現在北米では最大の子ども映画祭となっている。
GKIDSは、2008年に映画配給ビジネスを開始しており、スタジオジブリ作品の「となりのトトロ」「魔女の宅急便」や、細田守監督の名作「サマーウォーズ」の米国での上映配給も行っている。
今年のNYICFFは、ニューヨーク市内の7つの映画館で100本以上を上映し、作品の中には日本のアニメ作品も3本含まれている。1964(昭和39)年の東京オリンピックを控えた横浜を舞台に、高校生の海と俊の恋模様を描いた宮崎吾朗監督のスタジオジブリ作品「コクリコ坂から」は、第35回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞したことからも、注目を集めている。ほかにも、おおかみの末裔(まつえい)に恋をした母の半生を語る細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」や、小学生5人と宇宙人の交流を描いた「宇宙ショーへようこそ」が上映される。
NYICFでは上映のほかにも、映画監督による質疑応答、視聴者投票、ワークショップ、アワードセレモニーなどさまざまなイベントを予定している。