ニューヨーク州都市交通局(以下MTA)は4月25日、Transit Wireless(トランジット・ワイヤレス)社の回線を利用した無料ワイヤレスサービスをマンハッタンの地下鉄30駅で導入した。
同サービスは、Wi-Fi対応のデバイスであればプラットホームでインターネットの使用が可能。AT&TとT-Mobileの利用者は、通話やテキスト、インターネットブラウザが利用可能となる。VerizonとSprintもサービス参入を予定している。
今回無料ワイヤレスサービスが導入されたのは、タイムズスクエア駅やロックフェラーセンター駅、ミッドタウンウエスト地区やその周辺に位置する、平均年間利用者数が700万人を数える30駅。すでにサービスを開始しているチェルシー地区の6駅と合わせた計36駅で同サービスの利用が可能となる。
計画としては2007年ごろから持ち上がっていたが、109年の歴史を持つニューヨーク地下鉄の設備老朽化と地下の狭いスペースを利用した構造が問題となり、プロジェクト推進が頓挫していた。昨年チェルシー地区の6駅でテスト導入を行い、2012年末から本格的にサービス導入予定だったが、ハリケーン「サンディ」の影響で計画に遅れが生じていた。
MTAは今後、 2014年第1四半期までミッドタウンイースト地区とクイーンズの40駅、2017年までには管轄下にある全ての駅でサービス導入を目指している。
米国では、今月15日にボストンマラソンで起きた爆破テロ事件により、公共の場での安全問題が再燃している。同サービス導入は地下鉄内での緊急事態発生時に、スムーズな連絡を行うなうために大きな役割を果たすと言われている。一方、駅での携帯電話使用による利用者のマナー悪化が懸念されており、今後の市民生活にどのような変化が起きるか注目されている。