ニューヨークのヤンキーススタジアム(1 E 161st St)で7月28日、昨年12月に現役を引退した松井秀喜選手の引退試合が行われた。この日は松井選手に背番号55が渡され、ヤンキースの今季日程で55試合目のホームゲームにあたるレイズ戦が開催日に選ばれた。2003年から2009年までの7年間所属したヤンキースと1日限定の契約を結び、プロ野球人生最後の契約書にサインをした。
スタジアムのスクリーンには「THANK YOU HEDEKI!」と書かれ、開場3時間前にはすでに長蛇の列ができ、盛り上がりを見せた。当日は先着1万8000人に松井選手の首振り人形「バブルヘッド」が配られ、手にした観客たちはうれしそうに記念撮影をしていた。
スタジアム内には「WE NEVER FORGET」や「Matsui #55」と書かれたボードやタオルを手にするファンが声援を送ったり、松井選手のユニホームに身を包んだファンなどが集結し、大きな拍手と共に松井選手を見守った。
松井選手は引退式典と始球式のみの登場だったが、試合は1回ジータ選手のホームランから始まり、その後イチロー選手もタイムリーヒットを打ち、好調のスタートを切った。9回まで5対5と接戦を繰り広げたが、最終回をサヨナラ勝ちで締めくくり、引退式典に花を添えた。
アメリカ人男性は「ここぞという時にはやはり松井に打ってもらいたい。今日も何回も松井が登場してくれたらうれしいのに、と思ってしまった。ベストプレーヤーだった」と話し、日本人女性は「松井は本当にいい選手だった。今日の式典でも、みんなから愛されている選手だと再確認して、同じ日本人としてとてもうれしくなった。イチローと黒田、そして松井がいるヤンキースを最後に見られて幸せだった」と話した。