オーガニックやグルテン・フリーなどで健康ブームに沸くニューヨークでは、食生活に加えて飲み物に対する意識にも変化が見られる。日本でもブームとなったグリーン・スムージーがスーパーで手軽に購入できるようになった。また、飲食店では野菜を使用したカクテルをメニューに取り入れ始めたことが、地元メディアでも取り上げられている。
ニューヨークのウィリアムズバーグにあるオイスターが人気のレストラン「Maison Premiere(メゾン・プレミア)」(298 Bedford Ave.)では、野菜を主役にしたカクテルを取り扱う。ヨーロッパでポピュラーな野菜「ルバーブ」とセロリのジュースで割ったカクテルに、カットした生セロリとミントを投入。「バリバリ」と音を立てながらサラダ感覚でカクテルを楽しむ客の姿が見られた。ほかにも、ニンジンを一本そのまま使用したカクテルや、ピクルスにした野菜を入れたマルガリータなど、野菜を大々的に主張させたカクテルを取り入れている。
米国では3人に1人が肥満といわれており、大きな要因の一つは大量の砂糖を使用したソフトドリンクだとされている。近年ニューヨーク市では、これらのドリンクに課金制度を導入しようという運動が行われているほかにも、飲食生活の改善に努める市民が急増。健康への意識が変化していく中で、飲食店も客のニーズに応えるメニューを考案するようになった。野菜が主役のカクテルは、グリーン・スムージーに次ぐ健康飲料ブームになると期待の声も上がっている。