ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長が就任時に公約していたセントラルパークの名物・馬車廃止案に新たな動きが見られた。早ければ12月8日に法案として提出され、2016年にはセントラルパークの全ての観光用馬車が廃止となる方向で進められる。
セントラルパークの観光名物として100年以上の歴史を持つ馬車は、ニューヨーク市民に長い間愛されてきた。しかし、動物愛護団体は「忙しく、交通量の多いマンハッタンは馬が生活するべき所ではない」「マンハッタンの環境で馬車産業は馬への虐待に当たる」と長年にわたり廃止を訴えてきた。同案が通れば約300人の馬車手が職を失うこととなる。それに対して市は、グリーンタクシーライセンスの取得をサポートするなどの法案を検討している。
一方、馬車の運営組合は馬には労働時間制限があり、十分な休養を与えているため虐待になるようなことは決して無いと主張。マンハッタンの環境が問題なのであれば、警察の騎馬隊は廃止されないのかなどと反対の声を上げている。
街のシンボルでもある馬車を廃止する法案には、ニューヨーク市民の間でも意見が分かれている。双方譲らずヒートアップする中、ニューヨーク市議員たちの決断に注目が集まっている。投票は2015年中に行われる予定。