ニューヨーク州都市交通局(以下MTA)が3月22日、地下鉄・バス等の運賃値上げを実施した。これにより、1回乗車当たりの運賃がこれまでの2ドル50セントから、2ドル75セントへと引き上げられた。
MTAの交通網を利用しているニューヨーカーは毎日約600万人。しかし、ニューヨークでは勤務先からの交通費支給が一般的ではないため、公共交通の料金改定は直接利用者に影響を及ぼす。
近頃では機械トラブルにより地下鉄の遅延や運休が頻発している。さらにメンテナンスのため平日の日中に路線を閉鎖するなど、利用者たちの不満は高まっている。MTAは過去10年間で37.5パーセントの運賃値上げを行ってきたが、今回の料金変更がサービス改善につながる期待度は低い。
通勤でMTAを利用する人は「世界で最も発展した都市であるニューヨークが、MTAのようなもろい交通機関に頼って機能しているのは信じがたい」と話す。