東日本大震災から5年を迎えることから、ニューヨーク市内の教会で3月6日、追悼式典「TOGETHER FOR 3.11」が開催された。今回で5回目となる追悼式で、昨年を上回る約430人の来場者が被災者に祈りをささげた。
式典では、被災地から送られたビデオメッセージを通して、復興に向けての賢明な活動の様子が紹介された。主催者代表のAK(Akemi Kakihara)さんは「遠く離れたニューヨークで私たちにできることは『忘れない』こと。これから先も『忘れない』ことを約束し、被災者に祈りをささげたい」と思いを述べた。
被災地からは、岩手県陸前高田市の「酔仙酒造」金野社長が式典に招待された。津波により陸前高田市にあった酒蔵と社屋が壊滅し、従業員7人が犠牲となった。その後、アメリカのボランティア団体や同業他社も含め地元から多くの支援を受け再建、2014年にはアメリカ向け純米酒「KIBO(希望)」の出荷を開始した。「『KIBO』は、伝統的な酒造法を受け継ぐ地元の期待。これまで支援してくださった世界中の方々に感謝し、元気になったというメッセージを伝えたい」と思いを語った。
追悼式典に寄せられた5,200ドルの寄付金はニューヨーク総領事館などを通じて被災地に送られる。