ニューヨークの天理ギャラリー(43 West 13th Street)で備前焼陶芸家・松井宏之さんが初めての個展を8月20日から開催している。
備前焼は、岡山県備前市周辺で製作される炻器。備前焼は古墳時代の須恵器の製法が次第に変化したもので、千年近い歴史があり、日本六古窯の一つとされている。
松井さんは野村証券、外務省職員(アジア局太平洋地域担当)を経て39歳の時に陶芸をはじめた。以来、途中で妥協せず、古きを温め、新たな素材・技巧・機会も貪欲に試すことを信条として作品づくりを行ってきた。日本では多数個展を開催してきたが、ニューヨークでの個展は今回が初めてとなる。
今回の個展開催について、松井さんは「歳を重ねてから陶芸の道に入るにあたり、自分が求めるゴールに達する勝算があるか、陶芸を続ける資金があるかなどを、備前焼に対して求めるビジョンの中であえて明確に意識して、作品づくりをしてきた。人間国宝である備前の故藤原啓さんが、40歳近くになって備前焼をはじめ、実家が窯元などの陶芸関係の仕事をしているわけではなく、以前の仕事も陶芸と関係なかったことを知り、自分も勝負する励みになった。作品一つ一つに想いを込めているので是非みにきてほしい。」と意気込む。
開催時間は月曜~木曜=12時~18時、土曜=12時~15時。入場料無料。8月25日まで。