ニューヨークの老舗コーヒーショップチェーン「Chock full o’Nuts(チョック・フル・オブ・ナッツ)」(25 W 23rd Street, New York)が9月13日、ニューヨークの街に路面店として復活した。
1926年にナッツの販売で立ち上げた同店は、世界恐慌時にコーヒーとドーナツの販売を開始。1932年にコーヒーショップを開店してからは、100店舗をニューヨーク市街に出店してきたが、オーナー没後の70年代後半から80年代前半に店舗を閉鎖。以後、缶に詰めたコーヒー豆の販売と、モールやスーパーに併設する売店で、コーヒーやペストリーなどの軽食販売に移行した。
30年近くが過ぎた今、同店はフランチャイズ初店舗としてコーヒーショップの路面店をオープン。共同経営者のジョセフ・ブルーノさんとパット・ジョンソンさんが運営する。
1階、中2階の座席、軽食テークアウト、ピックアップの3エリアから成る同店。「座ってゆっくり食事が楽しめる店にしたかった」と同チェーン副代表のジム・ラガンケさん。「コンテンポラリー・レトロ」のコンセプトで作り上げたという内装は、昔のデザインを生かしつつモダンな雰囲気も取り入れている。古いニューヨークの写真がアート感覚な、おしゃれさも漂わせる。
商品も昔ながらのレシピを再現。「昔ながらの人気アイテムは10種類ほどあるが、誰もが一番印象的なのは、全粒小麦で作る『ホールウィートドーナツ』(2個99セント)だろう。全粒粉のレーズンパンに、ナッツが入ったチーズを挟んだ『ナッテテド・サンドイッチ』($5.95)や手作りデートナッツのパンにクリームチーズをのせた『チョック・クラシック』($4.95)も用意した」(ラガンケさん)。
ほかにもスープ、レモンクリームパイなどの懐かしい商品を多く扱う同店には、昔足を運んでいたという年配男性・女性の姿が多く、ニューヨーク、ニュージャージー各地から来た人でにぎわいを見せている。「昔ながらの味を楽しんで当時を思い出している。開店から5時間ですてきな昔話をたくさん聞いた」と、ラガンケさん自身も開店の喜びを味わっていた。
営業時間は7時~22時(土曜・日曜は23時まで)。