ニューヨークに展開する大型ドラッグ・ストアチェーン「デュアン・リード(Duane Reade)」が、父子DNA鑑定キットの販売をNY州で初めて開始した。
製造元は「アイデンティジーン」で、DNA鑑定を専門にしている。通常約300ドルから600ドルの費用がかかるといわれているDNA検査が、同キット(29.99ドル)に実験手数料やその他チャージ(119ドル)を含め、計約150ドルで可能。大幅に費用を抑えることができるという。
同社は既に2008年から同キットの販売を他州で始めており、州法が厳しいニューヨークで検討を続けてきたが、今回ようやく全米内最後の州として販売が認められた。
鑑定方法はキットに入っている綿棒で唾液を採取し、同社の研究室へ送るといった簡易的なもの。3~5日間で郵送またはEメールで検査結果がわかる。
同キットは現段階で裁判での法的証拠としては認められていないが、検査結果は同キットを用いたものと変わりない。購入者は父親がわからない人や、子どもの父親を探す母親などさまざま。店内で買い物をしていた30代の男性は「テレビ番組で父親と名乗る者同士殴り合いのけんかをする時代もあったくらい。人の役に立つなら(販売は)良いと思う」と話す。
他州での売れ行きは好調で、今後同キットでの鑑定結果の法廷使用発展に注目が集まる。NY州では近日中に他店も販売に乗り出す予定。