ニューヨーク・チェルシーの現代美術ギャラリー「アゴラ・ギャラリー(Agora Gallery)」(530 West 25th St, New York)で3月1日、日本人アーティストの作品を集めた展覧会「Matrix of the Mind」が始まった。
「ジャパニーズコンテンポラリーファインアート」として「わびさび」や控えめな気品がうかがえる日本の芸術は、多くの芸術家に影響を与えてきた。
昨年に続き今年も開催される同展は、日本の現代アーティストの作品を団体展示するニューヨークでも数少ない展示会の一つ。日本国内と海外で活躍するアーティストの、自然界への感謝の気持ちや精神性から生み出された作品が並ぶ。
アーティストの一人で、その眺望に魅了されたという地中海地方を拠点に活動する岡野梅子さんのカラフルな作品は、その田園風景や印象的な古い建物を照らす太陽の光が作り出す明るい色が反映されている。静穏ながらも強い感情が感じられる岡野さんの作風は、人物や人影と周りの環境とのコントラストが特徴的。
絵画を中心とした展示の中で、唯一彫刻を出品するシアトル拠点のアーティスト木原史恵さんの作品は、メタル、鉄、銅、木のほかコンクリートなど耐久性のある素材がかたどる抽象的な造形が、内に秘めた心情を表現する。
ほかにも加村文俊さん、キムジュンさん、小山幸映さん、森本考規さん、岩崎ナギさん、岡野梅子さん、志田悦子さん、富永多美子さんの作品も紹介。
営業時間は、火曜~土曜=11時~18時。入場無料。今月22日まで。