ニューヨーク州都市交通局(MTA)傘下のメトロノース鉄道が新車両「M-8」の運行を始め、話題を呼んでいる。
コネチカット州のニューヘイブンとNYのグランドセントラル駅を結ぶ「ニューヘイブンライン」を走る新車両は、2004年から2009年に「ハーレムライン」と「ハドソンライン」に導入されたボンバルディア・トランスポーテーション社製「M-7」をモデルに川崎重工業車両カンパニーが製造。1年にわたる綿密な検査を受けた6両が3月1日、一足先に一般の乗客を乗せて運行を始めた。
1970年代に製造された現役車両「M-1」や「M-2」などが、年末年始の大雪の影響や悪天候により相次いで故障しダイヤが乱れていたが、新車両運行開始からちょうど1週間がたった8日にようやく正常化した。
今回導入された新車両は電気系統が保護されており、天候に左右されないが運行が期待される。車両の寿命は30年。
大きな車窓とLEDを使った駅名表示、自動音声の導入などが特徴の同車両は、各座席にドリンクホルダーやコート掛け、パソコンなど電子機器用にACコンセントなどを完備。トイレは飛行機と同様にバキューム式で、各車両には「キャブ(運転室)」を設置するなどの特徴を持つ。車外にも電光掲示板による行き先表示やスピーカーを備える。
2013年までに380両の新規導入を見込む同鉄道では今春までに26両、今年末までに80両の運行を予定しており、約6万3,000人の利用者に快適な乗車環境を提供していく。