ニューヨークの編み物アーティスト、アガタ・オレックシアックさん(以下オレックさん)が6月21日、道行く人に握手を求めるアートパフォーマンスをグランドセントラル駅で行った。
オレックさんは家庭にある日用品から街角で見かける物や彫像まで、何でも毛糸でくるんでしまうアーティスト。現在ニューヨークの街中に設置されている「ポップアップピアノ」には、彼女が手掛けたニットのピアノも含まれている。
6月19日~21日に行われた同パフォーマンス「Crocheted Grapefruit(かぎ針編みのグレープフルーツ)」は、オノ・ヨーコさんのインストラクション・アート作品集「グレープフルーツ」の「握手をする絵」から着想を得た。
オノさんの「指示」通り、穴を開けたキャンバスの後ろからオレックさん手作りのニットに全身を包んだパフォーマーが手を出し、道行く人と握手するパフォーマンスは、鑑賞者との交流と反応で作品が完成する参加型アート。歩道の3カ所に立った9人のパフォーマーに近づき、笑顔でゆっくり握手する人や、通りざまに握手する人などの姿が多く見られた。
「人により握手の違いもあるし、握手していく(パフォーマーの)人数も違う。年齢、人種、性別関係なく足を止めて行く人がいる。それで成立するアート」とオレックさん。カリフォルニアから観光で来ていたローラさんも「カラフルなイメージでとても対話性のあるアイデア」と自己流の握手を楽しんでいた。
オレックさんは自身の作品の売り上げの50%を、日本復興支援金としてジャパンソサエティーに寄付するという。