グッゲンハイム美術館とBMWの協力により実現したポップアップラボ「BMW Guggenheim Lab」が8月3日、イーストビレッジの「First Park」(33 E 1st Street, New York)にオープンした。
同ラボは、都市が抱える課題について意見共有するシンクタンクとして機能。誰でも無料で立ち寄り、100を超えるワークショップや討議、実験、上映会などに参加し、革新的な解決策やデザインアイデアを生み出し探求できる。今回のニューヨーク開催を皮切りに始まった同プロジェクトは、以後6年間にわたって世界の9都市を回る。
プログラムの一つに、都市計画を体験できる実写版チェスのような参加型ゲーム「Urbanology」も実施している。税金、持続可能性、居住適性、財産、インフラの提唱者に扮(ふん)する参加者の回答で都市の価値を割り出すという内容。「旅行者が多すぎるため空港税を上げるべき?」「住人は反対の下、貧しい地域に陸軍基地を作る?」などの問題を議論しながらゲームが進む。
ミシガンの大学で都市計画を専攻するミシェルさんは「自分の意見で都市の未来が変わると思うとイエス、ノーを決めがたい問題がたくさんあった」と街づくりの重要さを実感していた。
組み立て式で移動型の同ラボは、東京を拠点とする建築事務所「アトリエ・ワン」と韓国のグラフィックデザインデュオ「Sulki & Min」が手掛けた。全て折り畳み式の簡素化されたデザインが特徴。フリーランス写真家・デザイナー、ビクターさんは「ラボの内容はもとより、シンプルで効率的なデザインが目を引く」と話す。併設のカフェでは、窯焼きで話題のピザ店「Roberta’s」がメニューを提供する。
ニューヨークでの開催が終わると、ベルリン、ムンバイへと移動する。残り6都市と建築家・デザイナーは未発表。
開催時間は、水曜・木曜=13時~21時、金曜=13時~22時、土曜・日曜=10時~22時。入場無料。10月16日まで。