インターネットを使った決済サービス業者「PayPal(ペイパル)」が、来年導入予定のモバイル決済システムを紹介する店舗をトライベッカ(174 Hudson Street, New York)に出店している。
「ショッピング・ショーケース」と名付けた同店は、「おサイフケータイ」として日本では親しみのあるモバイル決済導入を考える小売店などを対象に実演しながら紹介する場としてオープンした。
アメリカでは、米通信キャリア大手のAT&T、T-mobile、Verizonがモバイル決済提供を目的にジョイントベンチャー「Isis」を立ち上げ、今年9月にはグーグルが「Google Wallet」を発表するなど、モバイル決済移行への動きが活発になっている。そこで、米のネットオークションサイト大手「eBay(イーベイ)」を親会社に持つペイパルは、独自の携帯アプリ「PayPal Wallet(ペイパル・ウォレット)」でモバイル決済競争に参入する。
ペイパル・ウォレットは、グーグルが使用する近距離無線通信(NFC)方式ではなくカメラでバーコードやQRコードを読み取る方法を採るため、アンドロイドOS、iPhone OS両方で利用が可能となる。また、POSシステムを利用し在庫確認ができるため、品切れの場合はその場で他店舗から購入、発送が可能に「。
同社のショッピングスペシャリスト、クラウディア・ロンバナさんによると「ペイパルが仲介する携帯を利用した決済は、1日1分間に約78万円に上る」とし、インターネット決済のプロ集団の意地を見せるべく、携帯を使ったインターネット決済の需要の多さを強調。
今回のショーケースでは、高価な商品を扱う販売店が必要とする顧客の信用調査の促進など、小売店側が得るメリットも売り込み、小売店側がペイパルモバイル決済の提供に必要な端末導入を促す。