ニューヨーク市交通局(NYCDOT)は11月29日、俳句を使った標語とパブリックアートで交通安全を啓発するキャンペーン「Curbside Haiku(カーブサイド・ハイク)」が始まったと発表した。
同キャンペーンは、ニューヨーク市内にある文化施設付近で事故が多発している12カ所と学校周辺道路を対象に、アーティストのジョン・モースさん制作によるアートと俳句を用いた216枚のアート標識を設置するもの。「詩とパブリックアートを使ってNY市の道路をさらに安全にしていきたい」と、同市のジャネット・サディクカーン交通局長はコメントする。
約20センチ四方の正方形でできた標識は、通常の道路標識を基に自転車や自動車、歩行者などをターゲットにした安全メッセージをカラフルなアートで描写。12種類の標識には、俳句の標語が字体で書かれたものとQRコードで読解する2パターンを用意する。
コロンバスサークルで客待ちをしていた自転車タクシードライバーのユースフさんは「いつもこの辺りで仕事をしているのに気づかなかったが、アーティスティックで美しい。俳句の存在も初めて知ったので興味深い」と話す。
モースさんは、自身の俳句とアートが昨年ジョージア州アトランタでも起用され、500個の標識がアトランタ市内に設置された経歴を持つ。「アートと俳句を融合した『Curbside Haiku』は、ビジュアルで公共の空間に美と楽しみを添え、俳句で実情に対するメッセージを強調している」とモースさん。
標識は一般販売も行い、収益は交通安全教育理解を目指すNY市の「セーフストリート基金」の給付金に充てられる。