セントラルパークの一画「ストロベリー・フィールズ」で12月8日、元ビートルズのメンバー、ジョン・レノンさんの31回目の命日を迎えた。
前日までの雨から一転し晴れ間に恵まれたこの日は、気温セ氏5℃と寒さにもかかわらず、ジョンさんの45回目の誕生日に当たる1985年10月9日に作られた「IMAGINE」の記念碑前には、若者から高齢者まで多くのファンが詰めかけた。
記念碑にはキャンドルの明かりが揺れ、リンゴや献花が置かれる中、ギターとアンプを用意した参加者の指揮の下、生前ジョンさんが歌った「Beautiful Boy」などの名曲が途切れることなく響き渡った。
ベンチの上に立ち合唱していた、ニューヨーク在住のフレッド・マスさん(55)は「一番忘れられない思い出は、クリーブランドの展覧会で見たジョンの遺品。開封していない小さな箱に添えられたヨーコの手書き『夫を連れて行かれ次の朝この箱だけが渡された』を見て悲しみにくれた」と話す。
「この日は悲しみが楽しみに変わった日。世界中から皆、祝いにここへ来る」(フレッドさん)と、涙で声を詰まらせながらも「今日はハッピーデー」と悲しみを封じるように笑顔で言い聞かせていた。
31年がたつこの日、同じ思いを抱いて集まるファンの輪からは、寂しさよりもジョンさんの名曲を声高らかに歌い、安らぎと楽しさをささげる雰囲気で包まれた。
12月10日にはグリニッジビレッジで「(Le) Poisson Rouge」追悼コンサートの開催も予定されている。