ニューヨークの復興支援プロジェクト「ファッション・ガールズ・フォー・ジャパン」が3月31日と4月1日、義援金を集めるデザイナーブランドのサンプルセール「60+ デザイナー/60+ ローリングラック」を開催した。
ファッション・ガールズ・フォー・ジャパン代表、花沢菊香さんとメンバー
昨年に続き2回目となった今年は、「マーク・バイ・マーク・ジェイコブス」や「タクーン」をはじめ、メンズウエア、アクセサリーも加え80にも上るブランドが2900点以上のサンプルを寄付。総額80万ドル(約7300万円)相当の服やアクセサリーを半額で販売し全収益を義援金に充てる。両日合わせて1000人以上の来場者を数えた今回も、13万ドル以上(1000万円以上)の売り上げを記録する盛況ぶりだった。
アメリカでは、いずれ処分することになるサンプルを消費者が買う流れは主流。それを活用したのが同セール。代表でファッションブランドVPL社長の花沢菊香さんは「寄付金を集めるには限界があるが、既にある『もの』をできる範囲で提供してもらうためデザイナーも寄付しやすい。消費者もショッピングして支援ができる」と説明する。
参加ブランドの一つ「Timo Weiland(ティモ・ウェイランド)」のデザイナー、アラン・エクスタインさんも「服を寄付する機会はあっても最終的にどこに渡るのかわからないことがほとんど。ここでは服を買う人が実際に見られるうえに、日本に貢献できるのが素晴らしい。みんなにメリットがあっていい」と笑顔で話す。
女性のみならず、男性客も多く見られる中、「日本の人はファッション好きも多いし、とてもいいアイデア。日本で暮らしたこともあるしできることなら何でもしたい」と話すのは、サンフランシスコから来ていた日系アメリカ人のライアン・ローンキードさん。両手には、たくさんの服を抱えていた。
当日の食事は、日系のカフェ「ZAIYA(ザイヤ)」、パティセリー「クロイワ」、レストラン「和参」が提供したほか、会場の「バワリー・ホテル」、バナー業者「Sign Expo(サイン・エクスポ)」など、日系のみならず米系企業も協賛した。
「今年も多くの協力があってできた。義援金は安らぎの場所を造る「みんなの家」にも寄付するため、(義援金が)後に形として見られるのが楽しみ。来年はアートや音楽とも関わって開いていきたい」(花沢さん)と意欲を見せる。