2月6日、米郵便事業を担当する「United States Postal Service(米郵便公社)」(以下USPS)は、今年8月から配送サービスの一部を変更すると発表した。現存の土曜の手紙配送サービスを廃止し、月曜から金曜までの5日間の配送へ変更する予定。パッケージ配送は既存のサービス通り月曜から土曜まで6日間配送していく。
近年USPSは財政状況を改善するために大幅なコスト削減計画を掲げており、2006年以降年間コスト15億ドルの削減、19万3000人の人員削減、200局以上の統合を行っており、以前から社内で多くの声が上げられていた。同サービス変更はその一環となる。当初はパッケージ配送の土曜サービス廃止も検討されたが、2010年以降パッケージ配送量が10%拡大し、今後も事業成長が見込めるために、従来の6日間サービスを維持することを決定した。
USPSと大手新聞社数社が独自に行った調査結果によると、米国民のおよそ7割が今回の決定を支持している。新サービス施行6カ月以上前から計画を発表することにより、国民がスムーズに新しいサービスに適応できることを狙いとしている。
今回のサービス変更で特に余波を受けるのはUSPSサービスを使って土曜に雑誌配送を行っている出版社で、土曜配送分の入稿締め切りを早めるか、翌月曜に掲載を行うかの選択を迫られており、多くの出版社が軒を連ねるニューヨークでは大きな話題となっている。
ニューヨーク在住の女性は「メールや携帯の普及で、手紙を出すことはめったに無くなった。ビジネス街が並ぶこの街では、平日のビジネスアワーに影響しなければ何も問題ないと思う。無駄が省けるし、いい提案だと思う」と話した。
同計画は8月5日の週から施行予定となっており、USPSは施行後、2億ドルのコスト削減を見込んでいる。