3月3日、ニューヨークのAnthology Film Archives(32 Second Ave.)で、我謝京子(がしゃきょうこ)監督ドキュメンタリー作品「311:ここに生きるIn The Moment」が上映される。
同作は東日本大震災の2カ月後の2011年5月から、7月、翌年1月と、3度にわたり、南三陸、石巻、福島、郡山、気仙沼、仙台、陸前高田、釜石を回り、被災地に生きる女性を捉えたドキュメンタリー。
お嫁さんを亡くして孫を育てる祖母、津波で家だけでなく土地そのものをなくした姉妹、祖父が行方不明の少女、避難生活を余儀なくされる夫婦、被災遺児を受け入れようと動く女性校長、1,500万円を地銀から借り入れ放射能測定を始めた女性社長など、あらゆる年代の女性が登場する。直面する悲しみや喪失、困難な状況を語り、それでも懸命に生きていく姿をカメラが映し出していく。
「女が強ければ大丈夫」「振り向いたらその時に戻りたくなる、だから前だけ見るのよ」と語る女性たちの力強い言葉に多くの観客が胸を打たれ、日本各地のみならず台湾や韓国、フランス、イタリア、カナダなど世界中で大きな反響を呼んでいる。
我謝監督は「ひなまつりという、女の子のお祝いの日にニューヨークでこの映画を上映できることをうれしく思う。女性たちが復興に向けて具体的に動く姿を、ぜひニューヨークに住む人々に見てもらいたい。映画を見ながら、ぜひ一人一人の登場人物と心の中で会話をしてもらいたい。きっと今まで見えなかったものが見えてくると思う」と話している。
上映時間は14時~16時。入場料は10ドル。上映後には質疑応答と交流会が行われる。