ニューヨーク・ブロンクス地区に位置するブロンクス動物園(2300 Southern Blvd)で3月31日、雌のゴリラ「パティーケーキ」が亡くなった。ゴリラの一般的な平均寿命は37歳と言われており、40歳だったパティーケーキは高齢から来る衰えと慢性的な心疾患を治療するためにメディカルケアを受けていた。
パティーケーキは1972年9月3日にセントラルパーク動物園で誕生し、ニューヨークシティーで生まれた最初のゴリラとして大きな注目を浴びた。生後5カ月で腕を骨折し、ブロンクス動物園の動物病院で治療されたことがメディアに取り上げられ、一躍その名は全国区になった。その後、いったんは両親の住むセントラルパーク動物園に戻されたが、1983年に再びブロンクス動物園に移され生涯を過ごした。パティーケーキが与えた社会的影響は大きく、これまでにその半生に関する本が2冊出版されている。
ブロンクス動物園のディレクター、ジム・ブレヘニーさんは「パティーケーキはニューヨークシティーで最も有名なゴリラだった。何百万人もの子どもたちが彼女と一緒に育ってきた。本当に特別な存在で、彼女を失ったことは本当に大きな悲しみだ」と話した。園内のゴリラたちもパティーケーキの死を悼み、深い悲しみを見せている。
パティーケーキは双子一組を含む10匹の子どもを出産しており、子どもたちはデトロイトやボストンなどアメリカ各地の動物園で暮らしている。