ニューヨークのタイムズスクエア(Broadway and 46th St.)で、セサミストリートのキャラクター「クッキーモンスター」に扮(ふん)した男性が2歳児を押し倒す事件が起こり、偽キャラクターらの法的措置を見直す考えが出されている。
ニューヨークの観光名所であるタイムズスクエアは、ストリートパフォーマーにとって多くの歩行者から注目を集める絶好の場。その中でも特に目につくのが、有名キャラクターに扮し、握手や写真撮影に応じるパフォーマーたち。
本物のキャラクターとはどこか顔立ちが違うが、細かい違いに気付かない子どもたちには大人気。これらのパフォーマーは版権を所持している企業の公式な許可を得て活動していないが、違法行為ではなく、握手や写真撮影後に平均で2ドル~5ドルのチップを求め、生計を立てている。
今月7日、クッキーモンスターのコスチュームに身をまとっていたオスヴァルド・キロス・ロペス容疑者は、ニューヨークに観光旅行に来ていた家族の2歳の息子と記念撮影。その後チップを要求したが、一家は現金を持ち合わせていなかっために激怒。叫び声を上げながら子どもを押し倒し、近くに居合わせた警察官に逮捕された。
キャラクターに扮したパフォーマーたちはこれまで、携帯電話を操作したり、喫煙を行ったりしてきたが、版権を持つ企業はこれまで同パフォーマンスを静観していた。ニューヨーク市議会は深刻な問題と認めながらも米国憲法上の規定から対策を取れずにいたが、今回のクッキーモンスター事件をきっかけに、版権を持つ企業が活動抑止のための法的措置を起こすことを期待してる。
事件後もタイムズスクエアには多くのパフォーマーたちが活動を続けているが、パフォーマーの一人は「パフォーマー皆がこのような行為をするわけではない。すごく迷惑。印象が悪くなり、大きな影響が出た」と話した。